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2024年11月24日
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「深淵病棟」
2009年09月11日
ジャンル:レトロサイコ
DL:vector
制作者:dydy様
攻略:作者様HP
紹介
目を覚ますと、僕は鉄格子の病室にいた。
昭和初期の精神病院で繰り広げられる、狂気と正気の錯綜。
>以上紹介文より転載
レビュー
「鬼ヶ島」「犬神」など有名な作品で知られる「ワードワード」dydy様の作品です。
シンプルでスッキリした作りは以前同様ですが、今作には古い映画フィルムを思わせるような演出が加えられています。映像に黒い線や点々が混ざるあれです。
レトロな雰囲気をだすためか、精神病院という舞台の歪さをだすためか、はたまた人物のひび割れた自我を表しているのか。
はたしてそれが何を見せているのか、というのは最後まで読んでみると解るのかもしれません――
たいそう興味深い作品です。
適当な煽りをいれてみましたが、面白い物語です。
精神病棟の雰囲気は言わずもがな、主人公の特殊性、ストーリーの無残な流れ、時代の香り……どれもただ示されるだけに終わらずしっかりと内実まで描かれている所が素晴らしいです。変態や変態行為が好きという事はないけど、妄想と自慰的な思考が絡み合う主人公の挙動や葛藤には、思わず「うぐぐ……」と唸らされてしまうものがありました。
何となく共感できる部分があるだけに……辛い物語です。
普通のフリゲとはやはりどこか違うのが「ワードワード」の作品。
アニメや漫画が教えてくれる「面白い」とは何か違います。
正直私にも何が楽しくてプレイするのかはよく分かりません(「ワードワード」作品に限らずよくある事です)。そういう不明慮なものを確実にするためにレビューを始めましたが、実際どうでしょう……こじつけや見当外ればかりな気がします(例として「フランカ」など)。
結局は後学のためという意識があるので投げ出す事はありませんが、かなり辛い所です。
さて、
そこで、先達に学び、夢野久作先生の言葉を仰ぎたいと思います。
>以上「私の好きな読みもの」から転載
他人の言葉を借りておいて偉そうに言うのもなんですが、私も「犬神」の数々のシーンからうけた強烈なイメージ、トテモたまらないという感想です。
今作で言うと、隣室から死んだ筈の女性が語りかけてくるシーン――現実と妄想の境がグラグラ揺れ始め、かなり狂おしく、いっそのこと脳中枢を切断して自分の灯りをけしていまいたい、考えるのを止めてしまいたくなる……そんなイメージ。
それらを得られる事に喜びを感じるようです。激情=即快楽。
どうやら人間には平常や平穏だけでなく怒る事や叫ぶ事も必要らしいです。→→記事リンク
つまり、私が「ワードワード」作品を楽しむのは生存本能なんでしょうか?
夢野先生も仰ってます――
そして続きます――
結局、先生も解らないのかい……
というオチです。
いやはや――
DL:vector
制作者:dydy様
攻略:作者様HP
紹介
目を覚ますと、僕は鉄格子の病室にいた。
昭和初期の精神病院で繰り広げられる、狂気と正気の錯綜。
>以上紹介文より転載
レビュー
「鬼ヶ島」「犬神」など有名な作品で知られる「ワードワード」dydy様の作品です。
シンプルでスッキリした作りは以前同様ですが、今作には古い映画フィルムを思わせるような演出が加えられています。映像に黒い線や点々が混ざるあれです。
レトロな雰囲気をだすためか、精神病院という舞台の歪さをだすためか、はたまた人物のひび割れた自我を表しているのか。
はたしてそれが何を見せているのか、というのは最後まで読んでみると解るのかもしれません――
たいそう興味深い作品です。
適当な煽りをいれてみましたが、面白い物語です。
精神病棟の雰囲気は言わずもがな、主人公の特殊性、ストーリーの無残な流れ、時代の香り……どれもただ示されるだけに終わらずしっかりと内実まで描かれている所が素晴らしいです。変態や変態行為が好きという事はないけど、妄想と自慰的な思考が絡み合う主人公の挙動や葛藤には、思わず「うぐぐ……」と唸らされてしまうものがありました。
何となく共感できる部分があるだけに……辛い物語です。
普通のフリゲとはやはりどこか違うのが「ワードワード」の作品。
アニメや漫画が教えてくれる「面白い」とは何か違います。
正直私にも何が楽しくてプレイするのかはよく分かりません(「ワードワード」作品に限らずよくある事です)。そういう不明慮なものを確実にするためにレビューを始めましたが、実際どうでしょう……こじつけや見当外ればかりな気がします(例として「フランカ」など)。
結局は後学のためという意識があるので投げ出す事はありませんが、かなり辛い所です。
さて、
そこで、先達に学び、夢野久作先生の言葉を仰ぎたいと思います。
……こうした私の気持を百パーセントに満足させてくれるのはポオとルベルである。絞め殺した友人の心臓に耳を当てて鼓動音が消えてなくなってから床下に埋めておくと、毎晩寝がけにウトウトしかけた時にその耳の底にコビり付いている友人の心臓の鼓動音がハッキリと聞えて来るので、毎日毎夜睡ることが出来ない。とうとう発狂して床板をめくり初めた……という話なぞトテモたまらない。何かそこいらのものをタタキ付けたい気持になる。
私はポオとルベルの恐怖、戦慄の美を心の底から讃嘆したい。日本では江戸川乱歩さん、城昌幸さんのに、その直系の流れを見る。水谷準、角田喜久雄、葛山二郎さんにも、そうした恐怖美、戦慄詩が歌われている。それが理屈なしに私を感激させ驚嘆させる。こうした感激と驚嘆のために私は生甲斐を感じているのではあるまいか。……
>以上「私の好きな読みもの」から転載
他人の言葉を借りておいて偉そうに言うのもなんですが、私も「犬神」の数々のシーンからうけた強烈なイメージ、トテモたまらないという感想です。
今作で言うと、隣室から死んだ筈の女性が語りかけてくるシーン――現実と妄想の境がグラグラ揺れ始め、かなり狂おしく、いっそのこと脳中枢を切断して自分の灯りをけしていまいたい、考えるのを止めてしまいたくなる……そんなイメージ。
それらを得られる事に喜びを感じるようです。激情=即快楽。
どうやら人間には平常や平穏だけでなく怒る事や叫ぶ事も必要らしいです。→→記事リンク
つまり、私が「ワードワード」作品を楽しむのは生存本能なんでしょうか?
夢野先生も仰ってます――
中世以前は到る処戦争ばかりで恐怖と戦慄の時代であった。だからその時代の芸術作品には平和と幸福の讃美に類するものが多かった。
これに反して現代は幸福と安定の時代である。だからその芸術作品に恐怖と戦慄が求められるのは当然である
そして続きます――
――といったような理屈を並べてみても、こうした私の恐怖美、戦慄詩の愛好癖は決して説明されない気がする。
誰か説明してくれませんか。
結局、先生も解らないのかい……
というオチです。
いやはや――
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「ゆめのはなし」
2009年09月09日
ジャンル:納涼ホラーノベル
DL:vector
制作者:裕様
紹介
祖父の意向から親類縁者の持ち回りで年に一度泊まることになっている、今は無人の旧家。
そこであった不可解なお話。
プレイ時間5~10分程度の気軽に読める短編ホラーです。
>以上紹介文より転載
レビュー
短編ホラーとして異常に纏まってて、これといった落ち度がない作品です。
あえて難癖をつけるなら、「ほら」「まあ」「ああ」「ええ」などが多く含まれる語り文章が少し読みにくかった、という事ぐらい。これも慣れればいいだけなのでなんて事ないっす。
という事で、挙げられる難癖はつきました。降参です。
さてさて、
私はこういう現実味があるホラーが大好きです。
現実味といってもそれは"勘違いと紙一重"という現実味。「ああ、確かにそういう事ってあるよね」という共感が得られそうなホラー体験のことです。
例えば崖の上から海を覗き込んだとき背中をそっと押されたような気がした、とか。
そこで自殺した女性の霊が私を押したのかもしれませんし、単に崖下というものが人間を引き込む力があるだけかもしれません。
今作も同様。
不可解な話ではあるけど、どこか現実味がある。ありえない筈なのに、ふとした拍子に遭遇してしまうかもしれない恐怖――そんな不思議な魅力がたまりません。
それこそ大人からすれば「ゆめのはなし」。でも子供からすれば確かな体験で間違いありません。
つまり、体験もののホラーとして非常に上手い作品でした。
また、それ以上に上手いと感じたのが安心感を与えてくれる序盤の文章。
導入部分はどちらかというと在りがちな……よくある入り方なんですが、それがプレイヤーに「この作者は大丈夫だな」という安心感を与えていると思います。定石をたどるような落ち着いた分かり易い入り方です。
フリゲは何より、制作者とプレイヤーの信頼感が無い事が一つの大きな障壁となっていますから、作品の質同様、早めに不信感を取り払ってくれるのはプレイする方からしても気苦労がなくて嬉しい点です。
と、そういえば怖いかどうかを言い忘れていました。
泣く程、怖い、です。
ご注意を。
DL:vector
制作者:裕様
紹介
祖父の意向から親類縁者の持ち回りで年に一度泊まることになっている、今は無人の旧家。
そこであった不可解なお話。
プレイ時間5~10分程度の気軽に読める短編ホラーです。
>以上紹介文より転載
レビュー
短編ホラーとして異常に纏まってて、これといった落ち度がない作品です。
あえて難癖をつけるなら、「ほら」「まあ」「ああ」「ええ」などが多く含まれる語り文章が少し読みにくかった、という事ぐらい。これも慣れればいいだけなのでなんて事ないっす。
という事で、挙げられる難癖はつきました。降参です。
さてさて、
私はこういう現実味があるホラーが大好きです。
現実味といってもそれは"勘違いと紙一重"という現実味。「ああ、確かにそういう事ってあるよね」という共感が得られそうなホラー体験のことです。
例えば崖の上から海を覗き込んだとき背中をそっと押されたような気がした、とか。
そこで自殺した女性の霊が私を押したのかもしれませんし、単に崖下というものが人間を引き込む力があるだけかもしれません。
今作も同様。
不可解な話ではあるけど、どこか現実味がある。ありえない筈なのに、ふとした拍子に遭遇してしまうかもしれない恐怖――そんな不思議な魅力がたまりません。
それこそ大人からすれば「ゆめのはなし」。でも子供からすれば確かな体験で間違いありません。
つまり、体験もののホラーとして非常に上手い作品でした。
また、それ以上に上手いと感じたのが安心感を与えてくれる序盤の文章。
導入部分はどちらかというと在りがちな……よくある入り方なんですが、それがプレイヤーに「この作者は大丈夫だな」という安心感を与えていると思います。定石をたどるような落ち着いた分かり易い入り方です。
フリゲは何より、制作者とプレイヤーの信頼感が無い事が一つの大きな障壁となっていますから、作品の質同様、早めに不信感を取り払ってくれるのはプレイする方からしても気苦労がなくて嬉しい点です。
と、そういえば怖いかどうかを言い忘れていました。
泣く程、怖い、です。
ご注意を。
「空には白を」
2009年09月07日
ジャンル:学園BL
DL:vector
制作者:P177・ミツコ様
攻略:作者様HP(作品ページ)
注意:BL要素
紹介
黒い雪は世界を終わりへと導いてゆく
色鮮やかな風景はとうに消えた
ここにあるのは小さな学校、粗末な病院
見渡す限りの荒れ果てた大地
そして、生きている子どもたち
彼らはやはり、恋をする
やがて来る終わりを知りながら、彼らは儚い恋をする
黒い雪の訪れとともに
世界はゆるやかな終わりへと向かってゆく
>以上紹介文より転載
レビュー
久しぶりの長編ものです。
ED総数25個。
内容としては、
感傷的なタッチで描かれる冬の世界の物語。
死の病をもたらすといわれる「黒の雪」――それらにあてられた少年達の御話です。
手首の赤い痣。隔離施設。誰かの死を知らせる鐘の音。世界の終わり。
そんな暗い要素を多く孕むBLです。
私はどうやらこういう切ないBLに惹かれるらしく、始まりから終わりまで一気にプレイしてしまいました。明るいBLもいいですけどやはり儚さや健気さが強調される分、暗いBLの方が好きなようです。そこに生きる少年達が格別に美しいっす。
そして、今作の一番惹かれた要素としてエンディングの多様さがあります。
5人の登場人物に4つずつEDが用意されていまして、どれがベスト・グッド・バッドだという表記がありません。プレイヤーが一番心うたれたEDがベスト、という事で間違ってないと思います。
普通の作品の場合、バッドエンドというキャラクターの内面が十分掘り下げられないまま中途半端に終わってしまうEDが用意されているんですが、
今作の場合、そういった捨てEDがありません(誰とも関連しないEDはあります)。
どのEDもキャラクターのある一面が大切に描いてありまして、一つずつ見ていくうちに自然と自分の中でキャラクター一人一人が深く掘り下げられていくのが判ります。そうなると愛着もひとしおで、最後に悲しいEDを迎えたりすると泣けます。
気に入ったキャラクターは、第一印象では有と零。4つのEDを迎えてみると、慎と珪ですね。
悲しさと辛さと暖かさと強さが一緒になって、自然な形としてそこにある綺麗な作品でした。
DL:vector
制作者:P177・ミツコ様
攻略:作者様HP(作品ページ)
注意:BL要素
紹介
黒い雪は世界を終わりへと導いてゆく
色鮮やかな風景はとうに消えた
ここにあるのは小さな学校、粗末な病院
見渡す限りの荒れ果てた大地
そして、生きている子どもたち
彼らはやはり、恋をする
やがて来る終わりを知りながら、彼らは儚い恋をする
黒い雪の訪れとともに
世界はゆるやかな終わりへと向かってゆく
>以上紹介文より転載
レビュー
久しぶりの長編ものです。
ED総数25個。
内容としては、
感傷的なタッチで描かれる冬の世界の物語。
死の病をもたらすといわれる「黒の雪」――それらにあてられた少年達の御話です。
手首の赤い痣。隔離施設。誰かの死を知らせる鐘の音。世界の終わり。
そんな暗い要素を多く孕むBLです。
私はどうやらこういう切ないBLに惹かれるらしく、始まりから終わりまで一気にプレイしてしまいました。明るいBLもいいですけどやはり儚さや健気さが強調される分、暗いBLの方が好きなようです。そこに生きる少年達が格別に美しいっす。
そして、今作の一番惹かれた要素としてエンディングの多様さがあります。
5人の登場人物に4つずつEDが用意されていまして、どれがベスト・グッド・バッドだという表記がありません。プレイヤーが一番心うたれたEDがベスト、という事で間違ってないと思います。
普通の作品の場合、バッドエンドというキャラクターの内面が十分掘り下げられないまま中途半端に終わってしまうEDが用意されているんですが、
今作の場合、そういった捨てEDがありません(誰とも関連しないEDはあります)。
どのEDもキャラクターのある一面が大切に描いてありまして、一つずつ見ていくうちに自然と自分の中でキャラクター一人一人が深く掘り下げられていくのが判ります。そうなると愛着もひとしおで、最後に悲しいEDを迎えたりすると泣けます。
気に入ったキャラクターは、第一印象では有と零。4つのEDを迎えてみると、慎と珪ですね。
悲しさと辛さと暖かさと強さが一緒になって、自然な形としてそこにある綺麗な作品でした。
「Ash~階段~」
2009年09月04日
ジャンル:迷宮ファンタジー
DL:vector
制作:Vivid colors
攻略:作者様HP(room→capture)
注意:BL要素
紹介
生きる事に疑問を抱きながら、
日々を送る主人公・アーカイルの前に突如現われた謎の建物。
それは闇へと続く階段の入り口だった。
その階段の先で出会った謎の少年。
彼と共に迷宮を彷徨う事に……。
願う事は何でも叶うという迷宮で、アーカイルが行き着く先は――?
>以上紹介文より転載
レビュー
美人さんゲーです。
一見して判ると思いますが、上の画像の左の人です。
名前はノア。
ミステリアスな雰囲気を漂わせた青年です。
綺麗です。
笑顔がまぶしいです。
性格が可愛らしいです。
鎖骨から肩へかけ(ry
あまり書きすぎると気色が悪いので省略します……。
DL:vector
制作:Vivid colors
攻略:作者様HP(room→capture)
注意:BL要素
紹介
生きる事に疑問を抱きながら、
日々を送る主人公・アーカイルの前に突如現われた謎の建物。
それは闇へと続く階段の入り口だった。
その階段の先で出会った謎の少年。
彼と共に迷宮を彷徨う事に……。
願う事は何でも叶うという迷宮で、アーカイルが行き着く先は――?
>以上紹介文より転載
レビュー
美人さんゲーです。
一見して判ると思いますが、上の画像の左の人です。
名前はノア。
ミステリアスな雰囲気を漂わせた青年です。
綺麗です。
笑顔がまぶしいです。
性格が可愛らしいです。
鎖骨から肩へかけ(ry
あまり書きすぎると気色が悪いので省略します……。
「そして彼女は語りだす」
2009年09月03日
ジャンル:語ることで、嘘も真実となるADV
DL:vector
制作者:茅野真奈様
注意:12歳以上推奨
紹介
彼女が語るのは、若き日の出来事と「あの子」のこと。
真実を知る者は彼女一人。けれど、彼女が真実を語るとは限らない。
それでも、何も知らなければ語られた過去こそが真実です。
>以上紹介文より転載
レビュー
紹介を見てもらうと判る通り、
プレイする前から「語られる物語が真実とは限らない」事を明かしてしまっている面白い作品です。
ストーリーは主人公・咲夜がある人物について詳しく話を聞くべく老婆の元を訪ねる所から始まります。そこで彼が聞かされるのは今では遠い昔となってしまった老婆の若き日の出来事……悲しい悲劇の物語です。詳しく話しますと、「ある少女」の狂気的な愛が引き起こしてしまった殺人の話です。
とまぁ、普通の作品ならここまで話すとネタバレになってしまうのですが、恐らくそうはならないのがこの作品の特徴。理由は上記の通り。ここまでの話、嘘か真か――彼女(老婆)が真実を語っているとは限らない、という訳です。
この「真実を語るとは限らない」という要素が物語を非常にややこしいものにしています。特に初回プレイの面白さは格別ですね。もろに疑心暗鬼でした。短い作品ながら、どんどん想像が膨らんでしまいます。狙ってか狙わずか私は作者様の術にあてられてしまったようです。
そして、幾つかのEDを迎えるにつれ想像の中の物語が落ち着いていく、そんな中、ED4からED5にかけてのどんでん返し。
……実に厄介な物語だと感じました。
物語、形式、共に優れた良作です。
さてさて、
ここから下は私の語り(妄想)。ネタバレなど注意してくださいね。
郷土民話集を読んでいた時にふと頭に浮かんだ事を申しますと、
この主人公は老婆を食べにきた鬼だったのではないでしょうか?
いやはや――
DL:vector
制作者:茅野真奈様
注意:12歳以上推奨
紹介
彼女が語るのは、若き日の出来事と「あの子」のこと。
真実を知る者は彼女一人。けれど、彼女が真実を語るとは限らない。
それでも、何も知らなければ語られた過去こそが真実です。
>以上紹介文より転載
レビュー
紹介を見てもらうと判る通り、
プレイする前から「語られる物語が真実とは限らない」事を明かしてしまっている面白い作品です。
ストーリーは主人公・咲夜がある人物について詳しく話を聞くべく老婆の元を訪ねる所から始まります。そこで彼が聞かされるのは今では遠い昔となってしまった老婆の若き日の出来事……悲しい悲劇の物語です。詳しく話しますと、「ある少女」の狂気的な愛が引き起こしてしまった殺人の話です。
とまぁ、普通の作品ならここまで話すとネタバレになってしまうのですが、恐らくそうはならないのがこの作品の特徴。理由は上記の通り。ここまでの話、嘘か真か――彼女(老婆)が真実を語っているとは限らない、という訳です。
この「真実を語るとは限らない」という要素が物語を非常にややこしいものにしています。特に初回プレイの面白さは格別ですね。もろに疑心暗鬼でした。短い作品ながら、どんどん想像が膨らんでしまいます。狙ってか狙わずか私は作者様の術にあてられてしまったようです。
そして、幾つかのEDを迎えるにつれ想像の中の物語が落ち着いていく、そんな中、ED4からED5にかけてのどんでん返し。
……実に厄介な物語だと感じました。
物語、形式、共に優れた良作です。
さてさて、
ここから下は私の語り(妄想)。ネタバレなど注意してくださいね。
郷土民話集を読んでいた時にふと頭に浮かんだ事を申しますと、
この主人公は老婆を食べにきた鬼だったのではないでしょうか?
いやはや――