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2024年11月22日
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「ゆめのはなし」

2009年09月09日
ジャンル:納涼ホラーノベル
DL:vector
制作者:




 紹介
祖父の意向から親類縁者の持ち回りで年に一度泊まることになっている、今は無人の旧家。
そこであった不可解なお話。

プレイ時間5~10分程度の気軽に読める短編ホラーです。


>以上紹介文より転載


 レビュー

短編ホラーとして異常に纏まってて、これといった落ち度がない作品です。
あえて難癖をつけるなら、「ほら」「まあ」「ああ」「ええ」などが多く含まれる語り文章が少し読みにくかった、という事ぐらい。これも慣れればいいだけなのでなんて事ないっす。
という事で、挙げられる難癖はつきました。降参です。


さてさて、
私はこういう現実味があるホラーが大好きです。
現実味といってもそれは"勘違いと紙一重"という現実味。「ああ、確かにそういう事ってあるよね」という共感が得られそうなホラー体験のことです。
例えば崖の上から海を覗き込んだとき背中をそっと押されたような気がした、とか。
そこで自殺した女性の霊が私を押したのかもしれませんし、単に崖下というものが人間を引き込む力があるだけかもしれません。
今作も同様。
不可解な話ではあるけど、どこか現実味がある。ありえない筈なのに、ふとした拍子に遭遇してしまうかもしれない恐怖――そんな不思議な魅力がたまりません。
それこそ大人からすれば「ゆめのはなし」。でも子供からすれば確かな体験で間違いありません。

つまり、体験もののホラーとして非常に上手い作品でした。


また、それ以上に上手いと感じたのが安心感を与えてくれる序盤の文章。
導入部分はどちらかというと在りがちな……よくある入り方なんですが、それがプレイヤーに「この作者は大丈夫だな」という安心感を与えていると思います。定石をたどるような落ち着いた分かり易い入り方です。
フリゲは何より、制作者とプレイヤーの信頼感が無い事が一つの大きな障壁となっていますから、作品の質同様、早めに不信感を取り払ってくれるのはプレイする方からしても気苦労がなくて嬉しい点です。


と、そういえば怖いかどうかを言い忘れていました。

泣く程、怖い、です。
ご注意を。
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