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2024年11月22日
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「空には白を」

2009年09月07日
ジャンル:学園BL
DL:vector
制作者:P177・ミツコ
攻略:作者様HP(作品ページ)
注意:BL要素




 紹介
黒い雪は世界を終わりへと導いてゆく 
色鮮やかな風景はとうに消えた 
 
ここにあるのは小さな学校、粗末な病院
見渡す限りの荒れ果てた大地
そして、生きている子どもたち

彼らはやはり、恋をする

やがて来る終わりを知りながら、彼らは儚い恋をする

黒い雪の訪れとともに
世界はゆるやかな終わりへと向かってゆく


>以上紹介文より転載


 レビュー

久しぶりの長編ものです。
ED総数25個。


内容としては、
感傷的なタッチで描かれる冬の世界の物語。
死の病をもたらすといわれる「黒の雪」――それらにあてられた少年達の御話です。

手首の赤い痣。隔離施設。誰かの死を知らせる鐘の音。世界の終わり。
そんな暗い要素を多く孕むBLです。
私はどうやらこういう切ないBLに惹かれるらしく、始まりから終わりまで一気にプレイしてしまいました。明るいBLもいいですけどやはり儚さや健気さが強調される分、暗いBLの方が好きなようです。そこに生きる少年達が格別に美しいっす。

そして、今作の一番惹かれた要素としてエンディングの多様さがあります。
5人の登場人物に4つずつEDが用意されていまして、どれがベスト・グッド・バッドだという表記がありません。プレイヤーが一番心うたれたEDがベスト、という事で間違ってないと思います。
普通の作品の場合、バッドエンドというキャラクターの内面が十分掘り下げられないまま中途半端に終わってしまうEDが用意されているんですが、
今作の場合、そういった捨てEDがありません(誰とも関連しないEDはあります)。
どのEDもキャラクターのある一面が大切に描いてありまして、一つずつ見ていくうちに自然と自分の中でキャラクター一人一人が深く掘り下げられていくのが判ります。そうなると愛着もひとしおで、最後に悲しいEDを迎えたりすると泣けます。

気に入ったキャラクターは、第一印象では有と零。4つのEDを迎えてみると、慎と珪ですね。

悲しさと辛さと暖かさと強さが一緒になって、自然な形としてそこにある綺麗な作品でした。
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