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2024年11月22日
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「OCCULT PUNK!」

2009年09月17日
ジャンル:SF+オカルト
DL:vector
制作者:雨夜
補完:作者様HPに解説ファイル在り




 紹介
ネオンが泳ぐ東京夜景。睥睨するは摩天楼。
高層建築の最上階で、上等なスーツに身を包んだふたりの男が言葉を交わしている。

「ときに社長、天使をご存知でしょうか」
「処女懐妊で生まれる両性具有の赤子、だったな。それがどうした?」
「なんでも、大変に美味なのだとか」

――魔術と電脳が彩る夜景。
眠らない街を行き過ぎて、天使を食しに赴く男がふたり。その後を追う男がひとり。


>以上紹介文より転載


 レビュー

オカルトパンク!

という事で、
未来的な雰囲気に魔術やら神話的な物やら、色々と混ぜこんだトリッキーな作品です。
そんな内容と併せてシンプルな演出、これが光り、非常にスタイリッシュな物語に仕上がっています。


内容としては、
マンガに近いぐらいのスピーディーな描き方で進むサウンドノベル。
普通の、特に市販のサウンドノベルと見比べるとゴッソリ文章が削られているような印象を受けると思います。情景や登場人物の説明による物語の肉付けよりも、テンポをとった作品なんでしょうか。ちょうど連載漫画の第一話と近い様子ですね。
短編、そしてテンポ重視という事で多くは語られません。
肩に力を入れすぎず、気楽にプレイした方がいい作品だと思います。


演出としては二点。
けして目を見張るような凝った演出というものは含まれていません。
それでもプレイ開始三秒でちょっとワクワクしてしまいました。効果音とBGMと細かな演出の合わせ技で、随分と見え方も違ってくるものなんですね。

そして、用語解説。
」のTIPシステムみたいに、固有名詞に色違いのものがありましてクリックすると用語解説が読めるようになっています。短編ながらその数も豊富。私はこういうゴテゴテ独自設定をもりこんだ作品が好きなので、かなり楽しめました。THE 創作物という感じがして、良いと思います。
ただ、「本文中で用語解説することによるスピード感の喪失を解消する」為に作られたシステムが逆にテンポを悪くしているような……。
こういうシステムは短編には合わない気がします。特に文量が少ないテンポ重視の作品には。解説される語句と語句の間が狭く、いちいち解説ばかり読まされている感じでした。


と、少々喉に突っ掛かるものがある作品ではありますが、全体としてはよく纏まった短編作品です。
SFの雰囲気とオカルトの雰囲気が混ざり合って、また独特な色合いをだしています。
どちらかが苦手な方にも是非是非オススメしたい作品です。
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「不思議体験シリーズ」

2009年07月21日
ジャンル:トンデモ不思議体験ショートストーリー集
DL:vector
制作者:SENSEI

お決まりのプロローグ


 紹介
透視能力を駆使し、様々な世界を見る事ができた子供時代。
そんな過去を主人公が振り返り記録として残したのがこの作品集。
時間や空間、一固体としての制限から解き放たれた少年は何を見るのか。
真実の発見は私達に何を語りかけるのか。
全編驚愕間違い無し。


勿論全てフィクションですよ



 レビュー
「トンデモ」系です。

今では一部しか流してませんが、昔はTVで頻繁にやっていたらしいですね。
UFOとか古代文明とか霊とか前世とか。
キムタクドラマに対抗してやるぐらいですから、視聴率も良かったのでしょう。
子供の時、私も見ました。若干トラウマです。
子供ながらにフィクションというのは理解できるんですが、番組の内容以上に気持ち悪い大人達の姿が目に焼きつき、上手く心の整理ができませんでした。
震えながら叫びまくる老婆や、飛び跳ねながら失神する女性など、世に言うキ○ガイっぽい人達……
あれは役者が演じていたのか、どこかからTV局が拾ってきたのか。
幼い頃は考えても考えても判らなかった問題です。
――何にしろ、あまり気分が良い物ではありませんね。

このシリーズ、2003年と結構古くから続いている一話完結型のデジタルノベル集です。
超激辛様でも紹介されていまして、私も随分前より存在は知っていました。
しかし、上記の負の記憶からレビューの煽り文↓
こっ…これがトンデモか…。
マジに書いてないでしょうね。こんなモン。
に脊髄で反応してしまい、つい先日までプレイ避けてきました。
実際何も知らずにプレイするとそのぶっ飛んだストーリーに幾らかの人が「気持ち悪い!」とか「この作者大丈夫なの?」と反応するかも……。
そんな人の不安を解消する為に作者様がQ&Aを立てておられます→→コチラ

一応苦手な人にはオススメはしません。
ただ、良識ある方(と、見受けました)が作った作品です。気になる表現や受け付け難い思想は見受けられませんでした。
逆に関心したり爆笑したりする点がチラホラ。
千歳と千葉と硫黄島を繋いだ地図には笑いました(気になる人は『英雄伝説3』をプレイ!)。
題材も幅広く扱っているので、興味のある作品から手に取ってみてはどうでしょうか。


長い前置きは終わり。ゲーム内容に移ります。

形式はYuuki! Novel。短編なのでさほど機能の面で気になる事はありませんでした。
逆に訳あってこの作品集はYuuki! Novelじゃないと駄目なんです。そこも笑い所w

だいたいストーリーは、透視能力を持つ主人公の少年が何かに興味を持ち実際にそれを見に行くという導入から始まります。
失われた大陸や富士山の秘密など、向かう先は様々。
歴史、SF、オカルト、科学とジャンルも多彩。
展開も面白く、仏に会いに行くつもりが会えずに中東イスラエルに飛ばされてしまい、なんだかんだあって最後には地球を全人類と共に飛び立ち生命の神秘を体験するという話もあり、何とも言えないレベルの自由っぷりです。
さすがトンデモ。他には無い魅力がいっぱい。

あと、話の途中に「あの石の秘密は○○で見た神秘の力が関連し……(詳しくは『□□の△△』を参照)」という風に、過去作品とリンクする記述が多く見られます。
様々な方向に吹っ飛んだシリーズなのに、意外としっかりした構成で作られており、登場した一つ一つの要素を大切にしています。
過去作品というと50作品以上存在するので少々読みにくくもありますが、個人的に好印象でした。

そしてやっぱり、BGMや背景が上手くマッチしていて良いですね。
作者様が旅好きなようで、出てくる画像の中にオリジナルの物も含まれているのでしょうか。
透視世界という奇抜な環境を表現しきるその手腕は見事の一言です。
内容に同調させたBGMとイメージ背景の切り替えしが実に素晴らしく、一見平凡な素材達が鮮やかに映えます。




もう一度言いますが、全編フィクションですよ?
私もまだまだ全部プレイしきれていない現五十話以上、構想500話を越す巨編シリーズ。
良作っす。

「沈黙の海」

2009年06月29日
ジャンル:探索シュミレーション
DL:vector/作者様HP
制作者:はなまめ
攻略:何かのメモ(easyでもクリアが無理という人に)

体感


 紹介
そこでは嗅覚を除く全ての五感が阻害され
常識と言うものがことごとく覆された
原初の真空のようなそれは、沈黙の海と呼ばれた


基本的にゲームは画面をクリックすることで進展します
それ以上の遊び方は実際にプレイしながら理解してください
はじめのうちは何も分からないという状況になるかと思われますが
それを含めてのゲームシステム、ゲームの世界観ということをご理解ください

また、筆記用具やペイントツールなどの使用を推奨します


>以上紹介文より転載


 レビュー
上記紹介文にも強調されているとおり、非常に不親切な作品です。
プロローグはなく、ゲームの目的も明かされません。
前知識無しでいきなりhardモードからプレイする事を奨励されていますが、
まず間違いなく意味の判らないままゲームオーバーとなります。

しかし、そんな度を越した難易度も世界観の内です。

・ストーリーを見たいだけ
・ゲームは軽く楽しみたい
という人はeasyに移行しましょう。
上の攻略メモは判り難いですが、役にたつと思います。

逆に、このようなゲームの楽しみ方を心得ている方は絶対hardを続けるべきです。
ただ難しいだけ、ではない悪魔的な価値がこの作品にはあります。

「D.」

2009年06月24日
ジャンル:近未来RPG
DL:vector/ふりーむ!
制作者:おさはる
補完:前作「E.」とも少し関連が…?




 紹介

人類が破滅して幾世紀が経った。
頭上には汚れた空が、足下には腐った地が広がり、世界は混沌としていた。
残った者達はそれでもなお足掻き、生きている。

スラムに住む孤児の少年セスは、廃棄物を拾うことが仕事。
ある日いつものように廃棄物置場へ足を運ぶと、見慣れない物がある。
そのゴミの中からは人間が出てきた。


それがこの世界でのあなた。
ようこそ、クソッタレなこの世界へ。


>以上作品ページより転載


 レビュー
さて、きました「E.」の次の「D.」。
もう来ないと思ってたけど「E.」の次の「D.」。

荒廃と血腥さを前面に出した前作E.は、その特徴性の強さから多くの人の心に焼きついた作品ですね。
そして今作はかなり以前より予告されておりましたその次回作。
キャラ絵などからグレードアップの期待感が逸りますが、さてさてどうでしょうか……

と、変な煽りを入れましたが淡々とレビューです。


ストーリーは、主人公アベル(仮称)がゴミ溜めより拾われる所から始まります。
拾ったのはセス=ケイオス。とあるストリートギャングのグループに属しながら何も力が発揮できずにゴミ漁りなんかを廻されている気弱な少年です。彼の働き掛けもあって主人公は同じグループに属する事になりました。
汚らしいスラムで新しく出会ったのが、ニケ=ニィ。美少女キャラではないです…
そんな幼い二人と謎の一人で出来る仕事は、やはりゴミ漁り。
いつも通り街の片隅に出かけた三人はあるモノを手に入れていまい、そして――
――ストーリーは壊れていきます。(少年の)


キャラクターは絵がかなり綺麗になり感情移入も増しとなります。
小さなイベントも加わって愛着がもてますね。みんなベタで判り易いキャラなのが良いです。

サクサクな戦闘は健在です。
前作も強力な技や相手の弱さから、シンボルエンカウントで出会う敵をバッサバッサとなぎ倒す感じでしたが今作も同じく、RPGの面倒臭い戦闘に抵抗がある人でも大丈夫だと思います。
(逆に味のある戦闘を好む人は↓のシステムで調整が必要です)

物語にも関わってきますが、今作には「聖血」という新たなシステムが存在します。
アイテムとして購入しキャラの装備品として"投薬"しておくと、戦闘回数に応じて(適性によりズレがありますが)新たな特殊技を覚えていきます。補助に長けた聖血もあれば、全体攻撃に長けた聖血もあり、幾つか種類があります。
これによって仲間キャラの強さが平均され、好きなキャラでPTを組み、好きなように戦闘する事が可能となります。
また、それではヌル過ぎると感じる人は調節すれば良いと思います。
私は聖血の名前("救済"や"大罪"など)とキャラのイメージが合うように装備させていきました。誰でも回復可能というのは面白くないですしね。

好感度やオニゴッコなどハードな世界に添えられた茶目っ気も健在。今回はちょいちょいメタ発言も。
好感度の先にある「アレ」は慎重に行いましょう。やっぱり別の人と…は不可能です。

締め。
手馴れた感があるな…と言った感じです。
ストーリーやシステムやマップやイベント、揃うべきものが揃っています。
その余裕があってか、パロ的な雰囲気が増えました。
前作にもチラホラ御決まりな雰囲気はありましたが、今作には作品名を挙げられるような露骨な物が含まれています。合う合わないがありますが、個人的にはキツかったです。


何かと前作との比較が入る中身のないレビューとなりましたが、
その実には、どうしてもそれ以上語るところが見つからないという寂しさがあります。作品に必要な部品はあるけどそれ以上がありません。強烈なのは(前作との繋がりが確かなものになる場面)ぐらいでしょうか。
パロに止まらない、それを突き破ってしまうぐらいのエネルギーを見せて欲しかった、というのが個人的な感想です。


+追記(実は前書き)
超激辛様の所にエスパーがいます。驚きました。
確かにプレイしてから大分経っており、走るパンストさんのレビューを見て「あぁ、そういえば私もレビュー出来るな…」と気付いたのが事実です。何故レビューしようと思わなかったのかは、パンストさんが仰る通りな気がします。
愛着ならかなりあり、作品としても申し分ないのですが……。
この辺りの心境についてはいずれ休談で文にしてみようかと考えております。

「ラブリーポリス・トリクーガ~遠い約束~」

2009年06月20日
結構前の話ですがアンディー・メンテにて「」が公開されました。
システムといい、サウンドといい、雰囲気といい、かなり遊べるゲームなのですが、何より個人的に感動したのがキャラ図鑑。
私は「AMといえば?」と聞かれれば、
「仲間キャラに添えられた一言、BGMアイテム、断片的なストーリー(のアイテム)」
と答えるタイプなので、コレは本当に本当に感動しました。ウトナからだいぶ時が経ち、もう新たなAM世界関連の作品は見れないかもしれないと勝手に失望していただけに、より嬉しいです。



さて、今回レビューするのは
「ラブリーポリス・トリクーガ~遠い約束~」別称ミサ2です。
DL:vector
製作:AM
攻略:プリティプリンセス
AM解説:AMのおうち(AM年表・キャラ図鑑)/世界観wiki

「ぢ」キャラ一覧にトリクーガいないの?
 トリクーガです
  (主人公)

 紹介
AMゲームを楽しみたいのであれば
自給自足
怪盗プリンス
あおいほし
スターダンス
スミレの花
AIRAM EVA
銀河迷宮宝物
(↑一応取っ付き易い物orフリゲ雑誌に掲載されてそうなの一覧)
どれから初めても楽しめると思うのですが、
少しでもAMの世界観に興味が湧いた時、手にとって頂きたいのがコレです。

他にもAM世界観入門として、
ミサ」「ストーリー・オブ・スペシャリスト」「スターダンス」などが挙げられますが、
ミサはゲームとして取っ付き難く、
他二つはそれ自体のストーリーに付いて行けないとプレイが辛くなりがちです。

逆にミサ2(今作別称)は
・難易度もシステムも判りやすいレベル
・作中、AM世界の重要人物がべらべら重要な事を話していく
・主人公の目的の半分が「世界への探求心」
・↑つまりプレイヤーが少しずつ世界について知っていく事自体がストーリー

などなど、今作はAMには珍しく何かと親切なゲームなのです。


 レビュー
THEアンディー・メンテゲーです。
紹介に力を入れすぎて、今更それ以上を語れません。ごめんなさい。


+追記
やっぱり書きます。

上に難易度が低いと書きましたが、それでもやっぱりAMゲー。アイテムの機能が判らなかったり、ステータスの意味が理解できない何ていうのは当たり前。
ただ幾つかある理不尽に難しいAMゲーと比べれば単純なものです。
それはつまり、「コツコツと時間を掛けていけば必ずクリアできる」程度の単純さですが…。
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