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2024年11月22日
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「瓶詰の地獄」

2009年09月22日
ジャンル:夢野久作の代表作
DL:vector
原作:夢野久作
制作者:KaTana




 紹介
著作権の切れた作家の短編小説をノベルゲーム化したもの。
原作は夢野久作。
海辺に流れ着いた三本の小瓶に込められた“地獄”とは?


>以上紹介文より転載


 レビュー

昨日のレビューにあわせて、今度は夢野久作の代表作「瓶詰の地獄」のサウンドノベル化作品です。
夢野久作というとやはり「ドグラ・マグラ」と「瓶詰地獄」が有名ですね。前者は"日本三大奇書"なんて云われ方をされていまして、読む前から既に不穏な瘴気を感じさせる書物なんですが、それに比べてコチラの作品は少し影が薄い印象。それでも「瓶詰地獄の方が好き」という方も多くいらっしゃるだけに、それ相応の"威力"を感じさせてくれる物語である事は間違いないと思います。


内容としては、
とある浜辺に三本の瓶が流れるつき、その中に納められた手紙から、ある少年少女の漂流記録が明かされる……というもの。

読み始めるとまず序盤の部分が少々読みにくいと感じるかもしれません。
だいたい瓶が回収され中身が検められるまでの経緯が書かれています。
とある村役場から海洋研究所へ「浜辺で変なビール瓶が三本見つかったよ。中に紙切れが入ってる。あんたの所、潮の流れとか詳しいでしょ? 封切らずにそちらに送るから」みたいな内容の書類が送られた訳です。

さて、
八十年も前の作品に対して今更私などが感想を述べても何も始まらないのですが、改めてこうやってゲームとしてプレイしますと、初めからこうだったんじゃないのかと思えるぐらいサウンドノベルとして嵌っているから不思議です。
一つ一つの瓶を開けていくという内容、一つ目の瓶で引き込まれ二つ目で心動かされ三つ目で力一杯はたかれるという構成、そのラストを味わいながらタイトル画面に戻される時の余韻なんて堪らないです。
そう、ラストですよ――あの≪第三の瓶の内容≫と示される画面で一拍置いてから手紙の内容に移りそのままフェードアウトする流れは、ずばり小説版より良かったです。こうあるべき、という物を見た気がしまして一時心躍りました。


最後に少し我侭を。
読み終わった後に各話のトップに飛べるオマケ機能みたいなものがあったらなと思いました、折角サウンドノベルなので。例の物語の矛盾点(wikiへ飛びます。ネタバレ注意)に想像を巡らせる時など、瓶の順番を変えて読めたら味わいも変わって面白かったと思います。
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