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2024年11月21日
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「cubic labyrinth」

2010年05月04日
ジャンル:異世界漂浪、運命、苦痛
DL:ふりーむ
制作者:euno さん




 紹介
中学2年生のけいた君が主人公で、かなり変わった世界が舞台の物語です。
順調に進めば2時間ほどでクリアできます。
なお、到達率100%未満でもクリアは可能です。
がんばってください。


>以上紹介文より転載


 レビュー

始まりは悲惨な殺人事件の噂から。
けいた少年の不思議な異世界体験を描いた中編ADV作品です。

内容としては、
一家惨殺事件の噂に興味を惹かれ現場近くまで足を運んだ主人公がその場で気を失い、目覚めたら異世界に。元の世界に戻る為、偶然居合わせた女の子と共に辺りを彷徨い歩く――というもの。
彷徨い歩く場面では方向の指示が可能なので、プレイヤーは主人公達と肩を並べて世界を探索することになります。方向感覚さえあれば初めは楽々ですけど、だんだんと内容が複雑になってきますのでメモを準備しておくと良いです。
作風といいますか、キャラクターの内面の作りが少々独特で合う合わないがあるかもしれません。あと、裏にあるストーリーはなかなか暗く救いが無い物です。その辺に引っ掛かる物が無ければ、あとは"根気しだい"……。

超自然的な世界観も然る事ながら、それ以上にこの作品の色といえるのが高難易度な謎解き要素です。
ふりーむのゲームコンテストを見ますと、
諦めてもらうために難易度を高くし過ぎた
「『バッドエンドなんて生ぬるい。それ以上の苦痛を味わわせてやる』という、そんな極端で危険な思考をもとにして作りました。
といった鋭利な作者コメントがうかがえます。

実際私も一度投げました。
「苦痛に感じたらすぐに中断してください」という警告文は伊達じゃないです。
途中からの内容は暗号解読に近く、ヒントも無く救済措置も無く……。解けてみれば、なんだこんな物かと笑える程ですが、そこまで行く為に何度も何度も試行錯誤を繰り返す必要があります。センスよりも根気勝負。
dolphins were monkeys」のみたいな謎解きなら良い物の、こういった作中の人物とシンクロして此方まで気が滅入ってくるような謎解きは実にストレスの塊です。
正直、今作はオススメしません。

ただ、
楽しめる作品かどうかは疑問としても、こういう作品はアリだと思います。
マゾでもなく、アイテム収集などに執念を燃やせる程のゲームオタクでもなく、
単なるフリーゲーム好きとして今作を「悪くない」と感じます。
というのも、意図して組まれた理不尽さだという事は作中内でくどい程判りますからね。苦しさもストレスも世界観の内……後はその世界観が合うか合わないかの問題で、それは個人の捉えようであり、個々の特徴が出す結果です。

苦しみを描くなら、率直に観客を苦しませてみる。
何とも自己満足色が強い方法ですが、STGでは一般的です。だからこあれには描ける物があります。
今作も同様、自己満足的な表現が強い作品ですけど、私はそういう表現が嫌いではありません。
描ける物があるから、感じられる。個人的に作品内容というより作品の姿勢に感じるものがあった作品でした。

更にもう一度言いますが、楽しい作品ではありません。安易にオススメはしません。
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